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不妊・去勢手術について

ウチの、ゴールデン・レトリーバーのオス、現在 4 歳 5 ヶ月のヘイミッシュ。
D77_4787_NIKON D700_201407
(D700/AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED)

見てお分かりの通り、去勢はしていません。タマ付き。ちなみに、先代のゴールデン・レトリーバーのオス、ロッキーも、14 歳まで生きましたが、去勢はしませんでした。





一般的な犬の不妊・去勢手術の目的は、大きく分けて 3 つあると、僕は思っています。
 1) 望まれない交配を避ける
 2) 支配性、攻撃性などの問題を緩和する
 3) 生存年数の延長、性ホルモンに関する疾病の予防

先代犬ロッキーを飼い始める際に、いろいろと調べたり、専門医を含むいろんな人に相談したりしたのですが、僕はどうしても去勢をするメリットよりもデメリットのほうが多いのではないかと感じたため、結局我が家のオス犬は歴代去勢しないで来ています。

いや、すべての犬種に対してという話ではないのですけどね。ゴールデン・レトリーバー、それもオス、尚且つ僕が飼う犬に限ってのことです。だって、上記の 3 つのポイントですけれど、
 1) は、いつも僕のコントロール下に居るので関係ないし、
 2) は、ゴールデンの気性って問題になるケースは少ないと思います。
 3) ですが、ここが不思議なんですよ。
説明しますね。




例えば、最近目にしたところで言えば、アメリカの USA Today(7/May/2013) には、こう書かれています。

Neutered male dogs live 18% longer than un-neutered male dogs and spayed female dogs live 23% longer than unspayed female dogs, according to the report.
調査結果によれば、去勢したオス犬は去勢していないオス犬に比べて 18% 長く、また不妊手術をしたメス犬は不妊手術をしていないメス犬に比べて 23% 長い(寿命である)という結果が出た。


これ、一見すると「ああ、不妊・去勢手術は効果があるのだな」と思ってしまうかもしれませんが、僕の目にはそう映らないのです。その理由は 2 点。

a) 去勢手術で死んだ犬の件数が入っていない(かも)。
去勢手術で麻酔の失敗や不適合で死んだ犬は「不妊・去勢手術をした犬」として扱われたいるのかどうかが不明なのです。つまり、その死亡は「手術をしていない犬」の状態でカウントされている可能性があるのです。


b) 去勢手術を望んでも出来ない貧困層や犬の健康を考えもしない人たちの飼い犬の件数が
「去勢していない」に含まれている(かも)。
そもそも、不妊・去勢手術は、犬の健康を真剣に考える人のみがする・しないということを検討します。その上で、更にこの費用を支払うことができる人たちのみが手術をするという選択肢を持っているということになります。つまり、この表のグリーンの部分に該当する人たちが「手術をする・しない」を検討して、その何割かの人たちが「手術をする」ことに踏み切るのだと思います。


chart20140805.jpg


何が言いたいかといえば、「不妊・去勢手術を行った」のは経済的にも恵まれ、しっかりと犬のことを考えている飼い主に飼われた犬だけであるのに対し、「不妊・去勢手術を行わなかった」のは経済的に恵まれなかったり、犬のことを考えていない飼い主に飼われた犬も含まれる可能性があるということ。



前述の USA Today の元情報は既にリンク切れで、どういう統計をとったのかがわからないのが残念なところです。なので、その比較の数値もあまり意味が無いものである可能性もあると思うのです。


それから、今インターネット上で様々な犬のサイトや獣医さんのサイトがありますが、そういう所、特に日本のサイトが多いのですが、「不妊手術をするとがんの発生率が 200 分の 1 になる」とか「平均で 4 年寿命が伸びる」とか、なんの根拠もなく、なんのデータも示さずに記載しているところばかりが目につきます。いくつかのサイトに問い合わせたのですが、返答がなかったり、クレーマー扱いされたり、「ソースは開示できません」と言われたり。そもそも、そういうサイトにはだいたい免責事項みたいなことが書いてあって、『情報の不保証』を謳っているのですよ。要するに「このサイトに書いてあることは間違っているかもしれませんけど、しったこちゃないです」というわけですね。そういうテキトーな数値を載せているようなのです。すべてが全てそうだとは言いませんけれども。


いや、もちろんね、僕の見方がおかしいという可能性も十分にあります。僕は統計のプロでもなんでもないし、犬の医療についてもほとんど知りませんからね。ただ、僕は「なんかおかしいような気がする」と思っているのが現実です。





そんなところに、今回、カリフォルニア大学デイビス校の研究者らによる新たな調査結果が『PLOS ONE』で発表されました。日本語で紹介されたページはこちらから。

ゴールデン・レトリーバーとラブラドール・レトリーバー(サイズや体格、性質の似たものということで、これらの犬種をピックアップしたらしい)を比較したこの研究では、カリフォリニア大学デイビス校の獣医学科で保持している健康記録から 1,015 頭のゴールデン・レトリーバーと 1,500 頭のラブラドール・レトリーバー抽出しているとのこと。つまり、上記の表のグリーンの部分だけを対象として調査を行ったということですね。これは信頼できそうです。

調査した内容は以下のとおりに限定。

●不妊・去勢手術を行った時期を 5 つに分類
 Group 1 : 実施していない
 Group 2 : 生後 6 ヶ月未満で実施
 Group 3 : 生後 6 ヶ月以上 11 ヶ月以下で実施
 Group 4 : 生後 12 ヶ月以上 23 ヶ月以下で実施
 Group 5 : 生後 2 歳以上 8 歳以下で実施

●疾患を以下の 2 系統、6 種類に限定
 ガン系
  Type 1 : 悪性リンパ腫(lymphosarcoma)
  Type 2 : 血管肉腫(hemangiosarcoma)
  Type 3 : 肥満細胞腫(mast cell tumor) ← ヘイミッシュがなったやつです。
 関節不全疾患系
  Type 4 : 股関節形成不全(hip dysplasia)
  Type 5 : 前十字靭帯断裂(cranial cruciate ligament tear)
  Type 6 : 肘関節形成不全(elbow dysplasia)

これらの 2 つの指標を元に、不妊・去勢手術とガン・関節不全疾患の発生率との相関関係の有無を確認したとのことです。





さあ、気になる結果はというと、こうなっています。(ゴールデン・レトリーバーの結果のみ記載します。)

ゴールデン・レトリーバー、オス:関節不全疾患系を 1 つ以上発症する割合
 ●Group 1:5%
 ●Group 2:Group 1 の約 5 倍まで跳ね上がる
 ●Group 3:Group 1 の約 3 倍のリスク
 ●Group 4:Group 1 よりもややリスクが下がる(有意でない)
 ●Group 5:Group 1 の約 2 倍のリスク

ゴールデン・レトリーバー、メス:関節不全疾患系を 1 つ以上発症する割合
 ●Group 1:5%
 ●Group 2:Group 1 の約 4 倍まで跳ね上がる
 ●Group 3:Group 1 の約 3 倍のリスク
 ●Group 4:Group 1 よりもややリスクが下がる(有意でない)
 ●Group 5:Group 1 の約 2 倍のリスク

この結果から見ると、ゴールデン・レトリーバーの場合、オス・メスともに、特に 12 ヶ月未満での不妊・去勢手術により、関節不全疾患の発症率が上昇するようです。これは、生後 12 ヶ月未満での不妊・去勢手術により生殖腺からのホルモン分泌がなくなることで、長骨の骨端閉鎖に遅れが生じ、関節の不全を招くとの見方ができるようです。(上記日本語で紹介されたページは、おそらく誤訳です。)

ゴールデン・レトリーバー、オス:ガンを 1 つ以上発症する割合
 ●Group 1:11%
 ●Group 2:Group 1 の約 1.4 倍のリスク(有意でない)
 ●Group 3:Group 1 の約 1.5 倍のリスク(有意でない)
 ●Group 4:Group 1 の約半分にリスクが下がる
 ●Group 5:Group 1 の約 1/3 にリスクが下がる

ゴールデン・レトリーバー、メス:ガンを 1 つ以上発症する割合
 ●Group 1:3%
 ●Group 2:Group 1 の約 3 倍のリスク
 ●Group 3:Group 1 の約 5 倍まで跳ね上がる
 ●Group 4:Group 1 の約 4 倍のリスク
 ●Group 5:Group 1 の約 3~4 倍のリスク

この結果から見ると、オスのゴールデン・レトリーバーは不妊・去勢手術の有無やその時期に関わらず、がんの発生率にはあまり影響がないものの、一方でメスのゴールデン・レトリーバーの場合、不妊・去勢手術をどの時点でしたとしても、3~5 倍のがん発生リスクを生じさせることになるようです。8 歳までのメスにとっては、生殖腺からのホルモン分泌が何らかの抗がんの作用があるのではないかという見方ができるようです。





これらの部分だけを見ると、ゴールデン・レトリーバーのオスは 1 歳になるまで、またゴールデン・レトリーバーのメスは 9 歳になるまで、それぞれ不妊・去勢手術をしないほうが良い結果をもたらすという結論になります。果たして本当でしょうか?これについては、まだまだ研究が足りないのではないかと、僕は思います。

理由その1:
犬が発症する疾患は関節形成不全とガンだけではありません。特に、今回はそれぞれの疾患のうち、3 つずつのタイプの疾患のみをピックアップしていました。これら以外の疾患についても、しっかりと研究を続けていって、より深い理解が出来ていったらいいなと思います。


理由その2:
今回の研究の調査はカリフォルニアの大学のデータのみを使用した解析結果です。他の地域や国、異なるタイプの施設のデータなどを使用して同系統の解析を行っていけば、もっと様々な要因に対する分析が行えるのではないかと思います。例えば、飼育環境や運動量、餌の種類などによって何か影響が出るのか、そんなことも分かってくるのではないかと思います。


理由その3:
まあ、ぶっちゃけ個体差とか、飼い主の思想なんていうものがありますから、「こうすれば絶対に大丈夫!」「このタイミングがベスト!」なんてものは一つに決まるわけがないのです。まあ、「こういう傾向がありますよ」という判断材料が増えるのは良いことだと思いますが、結局のところ「それを飼い主がどう捉え、どう判断するのか」という部分のほうが重要なのだと思います。







今回はかなり長々と書きましたが、結局ね、ちゃんと自分の犬の命というものに向き合うきっかけとなれば良いのだと、僕は考えています。絶対的な正解なんておそらく何処にも無いし、どんなことをどれだけしても、結局自分の犬が死んでしまった時には、飼い主は自分を責めるんじゃないかな。たとえそれが寿命であっても、「あのときああしておけばよかった」とか「あんなことするんじゃなかった」とか、絶対に多少なりともそういう意識が出てくると思います。だって、愛犬の死って、本当に重いから。きついから。少なくとも僕にとってはそうでしたから。

でもね、その時に考えなくちゃいけないのは「自分は正しい判断を下してきたか」ではなく、「自分は真剣に愛犬に接してきたか」だと思うのです。間違えたって良いじゃない。自分の愛犬のために真剣に考えて、迷って、悩んで、決断して、死ぬまで一緒に生きてこれたのなら、それが一番だと思う。

今回の研究結果は、そういった悩みや迷いをちょっとだけ軽減してくれるもの。そんな程度のものなのかもしれません。研究者たちに感謝しつつ、僕はやっぱりヘイミッシュに一所懸命対峙していきたいと思います。僕にとっては、それが一番重要な点なのです。


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>> 鍵コメさんへ。

こんにちは。
コメントありがとうございます。

日本にかぎらず、確かに犬関係の情報はネットや口コミで多く出回っていますね。というか、犬関係だけじゃないですね。様々な情報が出回っていて、もう何が本当のことなのやらわからないというのが現状だと思います。

ファディズム(faddism)という言葉があります。一時的な流行や流言飛語に踊らされる現象を指します。主に食べ物に関する情報に踊らされたり盲信したりすることを指すフードファディズムという言葉が使われていますが、ペットファディズムという言葉も作ってほしいくらいです。

嘘とデタラメがまかり通っているペット情報。今回のようなその道のプロたちの仕事で、もう少し確かな情報が増えていき、それを判断するペットオーナーのリテラシーも高まってくれると良いなと思います。

No title

体にあって、不要なものなど無いと考えています。
マックももちろん立派なもんがつきっぱなしです。
男性ホルモンの大元を取るなど恐ろしい・・・

自分だったらどうかなという、視点で出来る限りマックとと接していきたいです。自分なりの愛し方だと考えています。あくまで自分なりですが、結構大切なんじゃないですかね。

No title

私の住んでいる町に、たぶん保健所から、それぞれ別の家にもらわれた二頭の大きな雑種の兄弟犬が住んでいました。一頭は去勢されていて、もう一頭は去勢されていませんでした。それぞれ可愛がられて、毎日しっかり散歩させてもらっていましたが、どちらもほぼ16歳で亡くなりました。亡くなった日は一週間も違いませんでした。違う環境で飼われても、去勢しても、しなくても兄弟犬の寿命は同じだったのです。これは、ただの一例ですが、私は同じなんだと思ってしまいました。
家のルビー(GR)には、体にメスを入れるのは良くないと思い避妊手術を受けさせていませんでしたが、五歳の時に子宮蓄膿症になり、再発しやすいと言われ、手術しました。それから11年、獣医さんにこの子は良性のものしか出来ないんだねと言われながら過ごしてきましたが、先週、16歳7カ月17日で、亡くなりました。一緒に過ごした間幸せだったし、お互い出来る限り頑張ったので悔いは無いのですが、淋しいです。でも、Rokisukeさんが書かれていたように、肩のほうにいるんだと思うと、これからも守ってもらえそうです。有難うございます。

>> sakamoto さんへ。

自分なりということ、もちろんだと思います!
犬のことを考えないエゴだったらダメだと思いますけど、やっぱり自分が納得してやっていることならば何が起こっても自分の責任だと考えられると思うからです。大事です。

「自分だったらどうかなという、視点で」というくだり、「sakamoto さん自身が去勢されたらという視点」かと思ってびっくりしましたよ。(笑)

>> ルビ子さんへ。

去勢だけでなく、様々な処置が寿命に与える影響って、特定の疾患には効果があるけど、別の特定の疾患には悪い影響が出るというようなものが多いのではないかと思います。人間の体に関してはさまざまな研究や調査を通じて、少しずつそれらの因果関係の解明が進んでいると思うのですが、やはり犬などのペットに関しては、市場規模や資金の問題からか、まだまだ研究が足りないのではないかなと思うのです。

そんな中でこういう研究が少しずつでも進んでいってくれて、尚且つ獣医や専門のトレーナーなどの「現場でのプロ」の意見や知見なども合わせていくことで、ペットの生育環境(これもいわゆる QOL ですよね)が改善されていくと良いなと思います。

僕から見ると、犬に関しての情報はまだまだ都市伝説のたぐいのものが多すぎると思っています。そしてそれを獣医や製薬会社をはじめとしたペット関連業界が、何故か検証・訂正していかないという、わけのわからない構造になっているのが問題なんだと思うのです。

情報を過信せず、しっかりと自分の犬と向き合い、犬のいる社会に参加していく。それが犬の飼い主に求められる姿勢なんだと、僕は考えています。先代犬のロッキーが、僕の肩の後ろ側にいるせいかな?僕の考え方はずいぶんと「犬寄り」になっているようです。(笑)

No title

rokisukeさん、まあそれも含んでということで(笑)

>> sakamoto さんへ。

それは・・・、恐ろしい・・・。(笑)
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    例の写真家さん:

     別名:haykichi さん
     ダイエットと体力保持のため「走らなきゃ」
     と言いつつ頻繁に挫折する人です。
     和食・韓国料理、家のデコレーション関係、
     教育関係はすべて haykichi さん担当。
     詳細は、「まる」ないちにちで!


    愛犬壱号(1994~2008):

     本名:ロッキー
     日本生まれ、日本&イギリス育ちの人気者
     ゴールデン・レトリーバーのオス
     (イギリスの悪名高き検疫所の経験者です)
     American Line の純血種 JKC 登録

    ネコちゃん:

     本名:不明
     たまに出没する近所のメスネコ
     ドコの家のネコか、何歳か、詳細は不明
     ヘイミッシュの登場以降出現せず。
     んー、残念。

    愛犬弐号(2010~):

     本名:ヘイミッシュ(スコットランド名)
     2010 年 2 月中旬、イギリス生まれ
     2010 年 4 月、 rokisuke の家族に加入
     ゴールデン・レトリーバーのオス
     Working Stock の純血種 KC 登録済み

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